ブログ インフォメーション

2023.11.8 ブログインフォメーション ブルーライトアップon世界糖尿病デー(11/14)

拡大を続ける糖尿病の脅威を踏まえ、国際連合は、平成18年から毎年11月14日を「世界糖尿病デー」に認定し、世界各地で糖尿病の予防、治療、療養について啓発活動を推進することとしました。
(11月14日は、「インスリン」を発見したカナダ人医師フレデリック・バンティングの誕生日です。)

世界の糖尿病患者は5億人以上、日本の糖尿病患者は約1000万人、糖尿病予備軍も約1000万人と、「日本人の5人に1人が糖尿病」という時代に突入しております。日本において、初めて糖尿病患者としての記録が残っているのは、かの有名な平安時代の最高権力者「藤原道長」です。藤原実資の日記「小右記」には道長の病状について「しきりに水が欲しくなり、最近では昼夜の別なく、口が渇き水を飲むが、食事は減っていない。とにかく体がだるい。」とあり、「近寄らなければ、汝(なんじ)の顔が見えない」と目に関する症状も記載されております。晩年の藤原道長は、糖尿病よる白内障の進行か、糖尿病網膜症によって視力を失っていたと考えられています。

糖尿病は、長年の歳月をかけて、血管や神経をボロボロに壊していく合併症が恐ろしい病気です。そして一度壊れると、完全に修復されることはありません。その代表とも言えるのが、「糖尿病網膜症」です。網膜の血管などが、高血糖や慢性の炎症によってだんだん壊れていき、血管がつまり、血のめぐりが悪くなって、網膜がむくんだり、異常な血管が目の中に蜘蛛の巣のように生えて、それらから出血を起こしたり、網膜を引っ張って網膜剥離を起こしたりして、最終的には失明に向かう恐ろしい病気です。

ただし、糖尿病網膜症は進行しないと視力は低下しないため、自覚症状がほとんどありません。逆に言えば、自覚症状が出てからは、かなり進行した網膜症となっている可能性が高いのです。よって、糖尿病と診断されたら、まずは眼科を受診して頂き、現在の状態をチェックし、その後定期的に眼科診察を続けていくことが極めて重要なのです!!(見えているから大丈夫ではないのです!)。

また、網膜は直接血管がみえる唯一の組織であり、眼底検査で網膜症が疑われ、糖尿病が逆に見つかるというパターンも少なくありません。高血圧なども、眼底所見から初めて指摘されるケースがあり、眼科と内科的疾患は切っても切れない関係にあります。

当院では、内科医院の先生方と連携し、糖尿病網膜症の検査を積極的に実施しております。糖尿病網膜症は当院院長が最も得意とする専門分野であり、スクリーニング検査から重症例の治療まで、全ての病状に対して対応することが可能です。具体的には、

・眼底検査により糖尿病網膜症の早期発見、白内障の進行チェック

・光干渉断層計(OCT)や光干渉断層血管撮影(OCTA)を用いて網膜症の重症度診断

・糖尿病黄斑浮腫に対しては、抗VEGF硝子体注射の即日実施

・重症糖尿病網膜症については網膜光凝固治療(疼痛軽減のパターンスキャンレーザー)

・糖尿病による進行した白内障へは白内障手術

・硝子体出血、牽引性網膜剥離をきたした最重症の増殖糖尿病網膜症へは硝子体手術(日帰り)

上記のような治療を、大学時代や日赤時代同様、オホーツク眼科でも日常的に行なっております。

糖尿病で内科通院中の方、また見えにくいと自覚症状のある方、是非ともご相談下さい。

長くなりましたが、糖尿病の啓発のため、世界中でシンボルカラーである「ブルーライトアップ運動」が行われており、東京では新宿の都庁や墨田川橋梁群などがライトアップされています。当院も、クリニック前面、側面、待合室のLEDをブルーカラーへ変更して、この啓蒙運動に参加致します。糖尿病網膜症検査の推進に、ご理解とご協力を頂けますと幸いです!

また本日は、アメリカAlcon本社から、3Dデジタル手術機器開発のグローバルディレクターとエンジニアの方が当院にわざわざ視察に来られ、3D手術の最新バージョンをクリニックでどのように使いこなしているのか、手術見学されていきました。10件の白内障と硝子体手術を見て頂く中で、映像のセッティングに関して様々な提案を頂き、更に良いものに設定を変更できて大変有意義な機会となりました(英語で対応を頑張ったスタッフ皆もエラい!!)。
現在、当院では月120件程度の手術枠で、白内障手術や硝子体手術などを行なっております。これからもオホーツクにグローバルレベルの眼科医療を届けられるよう、日々進化を続けて参ります!!